第十七章:なぜ違和感があっても離れられないのか

違和感は、突然生まれるものではない。 むしろ最初は、とても小さい。 少し疲れる。少し無理をしている気がする。少し話が噛み合わない。 その程度だった。 だから、すぐには離れなかった。 いや――離れられなかった、という方が正 …

第十六章:なぜ冷静な人ほど巻き込まれるのか「自分だけは大丈夫」という感覚の正体

MLMに関わっていた頃、私は一つの確信を持っていた。 自分は冷静な側の人間だ、と。 感情に流されるタイプではない。怪しい話には警戒する。簡単に人を信じるほど単純でもない。 だからこそ思っていた。 「自分は大丈夫だ」 そし …

第十五章:なぜ人は“次”を探してしまうのか

「なぜ人は“次”を探してしまうのか」 MLMを離れ、時間が経過した。 距離を置き、冷静になったはずだった。 もう同じ場所には戻らない。そう理解していた。 だが、不思議な感覚が残っていた。 完全に終わったはずなのに、どこか …

第十四章:もう急がない ― 再出発の条件

あるコミュニティを離れてから、四年が経過した。 この四年間、目立った挑戦をしたわけではない。新しい事業に飛び込んだわけでもなく、劇的な成功を手にしたわけでもない。 かつての自分なら、この期間を「停滞」と呼んでいただろう。 …

第十三章:空白の四年、そして再出発

MLMを離れてから、約四年という時間が過ぎている。 この四年間、特別な挑戦をしていたわけではなかった。副業に本気で取り組んだわけでもなく、発信を続けていたわけでもない。 いわば、行動としては静かな時間だった。 だが完全に …

第十二章:何者でもない自分を受け入れた日

期待していた社会人生活 社会人になれば、自然と人生は整っていくと思っていた。 仕事を覚え、給料をもらい、恋人ができ、周りと同じように前へ進んでいく。学生の頃は、なんとなくそんな未来を想像していた。 しかし現実は違った。 …

第十一章:MLMを離れた後、静かに始まった現実

解放されたはずだった すべての関係を断ち、MLMのコミュニティから離れた。 ブロック。連絡先削除。誘いへの既読スルー。 特別な出来事は何もなかった。 ただ、静かに終わった。 そして最初に感じたのは―― 解放感だった。 週 …

第十章:なぜ人は楽な稼ぎ方、MLM(マルチ商法)に飲み込まれてしまうのか

あの頃の自分を振り返る 第二章から第七章までで書いてきた経験は、すべて異なる出来事のようでいて、本質は同じだった。 それは MLM(マルチ商法) という仕組みだった。 名称も、入口も、関わった人も違った。しかし振り返ると …

第九章:なぜ私は何度も「それっぽい話」に惹かれたのか

はじめに これまでの章で、いくつかのコミュニティやビジネスの話を書いてきた。 振り返ってみると、内容は違っても空気感はどこか似ていた。最初は偶然だと思っていた。 しかし今ならわかる。あれは偶然ではなく、自分の状態がそうい …

第八章:抜けると決めた日、すべてが変わった

違和感は、突然ではなく積み重なっていた 最初から怪しいと思っていたわけではなかった。 むしろ逆だった。人と出会い、居場所ができ、社会人としての世界が広がったように感じていた。 「仲間」「成長」「チャンス」 そんな言葉に囲 …