はじめに
これまでの章で、いくつかのコミュニティやビジネスの話を書いてきた。
振り返ってみると、内容は違っても空気感はどこか似ていた。
最初は偶然だと思っていた。
しかし今ならわかる。
あれは偶然ではなく、自分の状態がそういう環境を引き寄せていたのだった。
社会人になったばかりの焦り
社会人になり、周囲と自分を比べる機会が一気に増えた。
仕事に慣れない日々。
将来の見通しも立たない。
学生時代のような「正解」がなくなった。
SNSを開けば、
- 起業した人
- 投資で成功した人
- 自由に生きているように見える人
そんな情報ばかりが目に入った。
「このままでいいのか」
その感情が、ずっと心のどこかにあった。
共通していた言葉
出会った人たちが口を揃えて言っていた言葉がある。
- 普通の人生で満足なの?
- 行動した人だけが成功する
- 今が人生を変えるチャンス
当時の自分には、それが正論に聞こえた。
否定する理由もなかったし、
むしろ「自分が動いていないだけなのでは」と思わされていた。
今思えば、言葉自体が問題だったわけではない。
その言葉を疑わず受け入れてしまった自分の状態が問題だった。
惹かれた理由は「ビジネス」ではなかった
後から気づいたことがある。
自分が惹かれていたのは、
ビジネスモデルでも収益でもなかった。
- 認められる場所
- 仲間がいる感覚
- 自分が変われそうな期待
つまり、環境だった。
正しい場所を探していたつもりが、
「居場所」を探していただけだった。
当時の自分に足りなかったもの
今ならはっきり言える。
当時の自分に足りなかったのは能力ではなかった。
足りなかったのは、
- 判断基準
- 長期的な視点
- 違和感を言語化する力
だった。
「すごそう」に見えるものを、
そのまま信じてしまっていた。
なぜ人は飲み込まれるのか
こうした界隈に入る人は、決して特別な人ではない。
むしろ真面目で、何かを変えようとしている人ほど入りやすい。
現状を変えたい。
成長したい。
成功したい。
その気持ちは本物だ。
だからこそ、
正しい努力と、利用される努力の境界線が見えなくなる。
飲み込まれる理由は、弱さではなく「前向きさ」だったのだと思う。
今だから言えること
環境を変えること自体は間違いではない。
意識の高い場所に身を置くことも必要だと思う。
転職だって同じだ。
ただし、
環境は選ばなければならない。
違和感を否定し続ける場所ではなく、
違和感を話せる場所を選ぶべきだった。
次へ
これまでの経験を通して、ようやく気づいたことがある。
人生を変えるのは、
特別なコミュニティでも、魔法のビジネスでもなかった。
自分で考える力を取り戻すことだった。
ここから、自分の選択は少しずつ変わっていくことになる。
この記事の一行まとめ
人が怪しい話に惹かれるのは弱さではなく、「変わりたい」という真剣さだった。
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