第四章:脱退後の気持ち、失い、でも守ったもの

脱退を決めて、連絡を絶ってからしばらくの間、
自分の中には、言葉にしづらい感覚が残っていた。

最初に来たのは、はっきりした解放感だった。
毎日の進捗報告、
意味の分からない作業、
土曜日の講演会という名の精神論タイム。

それら全部から一気に解放されて、
「もう行かなくていいんだ」と思った瞬間、
本当に肩の荷がストンと落ちた感覚があった。

正直、この瞬間だけ切り取れば、
かなりホッとしたのは事実だ。

でも、そのあとに来たのが、
じわじわ広がる虚無感だった。

あれだけ時間を使って、
50万円も払って、
「これは自分の人生を変える一手だ」と
無理やり信じ込もうとしていたものが、
一気にゼロになった感覚。

何かをやり切った達成感より、
「何も残らなかった」という現実のほうが強くて、
しばらくは本気で何もする気が起きなかった。


失ったもの

まず、分かりやすく失ったものがある。

一つ目は、お金
50万円は、今思い返しても普通に痛い。
「勉強代だった」と割り切ろうとしても、
そんな簡単に割り切れる額じゃない。

二つ目は、自由な時間
講演会、進捗報告、
よく分からない課題、
謎のやる気共有タイム。

今思えば、その大半は
自分の人生に何の価値も生んでいなかった。
あの時間を、
普通に資格勉強でもしていた方が
よっぽどマシだったと思うこともある。

三つ目は、界隈で出会った人たち
脱退した瞬間、
それまで毎日のようにやり取りしていた人たちと
一気に縁が切れた。

最初からビジネス目的の関係だったのは分かっている。
それでも、
「同じ場所にいた仲間」みたいな感覚が
ゼロだったとは言えない。

だから正直、
少し寂しさもあった。

でも今は、
「あれは人間関係じゃなくて、
 ビジネスの部品扱いされてただけだな」
とも思っている。


守ったもの

一方で、
失った以上に守れたものもあると思っている。

一つ目は、友達との関係

もしあのまま続けていたら、
自分は間違いなく
友達に声をかけていたと思う。

「一緒にやらない?」
「これはマジでチャンスだから」
「今決断しないと一生後悔するよ」

そんなセリフを、
自分の口から言っていた可能性は高い。

そうなっていたら、
今ある人間関係は確実に壊れていたと思う。
気まずくなって、
距離を置かれて、
最悪、縁が切れていたかもしれない。

それをしなかった。
この一点だけでも、
自分は本当にギリギリで踏みとどまれたと思っている。

二つ目は、自分の未来

あのまま続けていたら、
お金も時間も、
もっと失っていたはずだ。

それだけじゃなく、
「なんかおかしくないか?」っていう
自分の中の違和感そのものを
潰してしまっていた気がする。

一度その感覚を無視し続けると、
次にまた同じような話が来たとき、
きっともっと疑えなくなる。

そう考えると、
あのタイミングで抜けたのは、
結果論だけど
自分の人生を守る選択だったと思っている。


これから同じ界隈に足を踏み入れそうな人へ

ここからは、
完全に自分の主観だけど、
これだけは伝えておきたい。

もし今、あなたが

  • 「今の生活を変えたい」
  • 「このまま会社員で終わるのが怖い」
  • 「何か始めないとヤバい気がする」

こんな感情で、
怪しい副業やコミュニティに
少しでも興味を持っているなら、

一旦、立ち止まってほしい。

その場のテンション、
成功者っぽい人の言葉、
「今決断しないと人生終わる」みたいな煽り。

これ、全部めちゃくちゃ強力だけど、
冷静な判断力をゴリゴリ削ってくるだけだ。

もし少しでも違和感を感じたら、

  • その場で即決しない
  • その団体名やビジネスモデルを
    必ずネットで検索する
  • 「詐欺」「マルチ」「評判」「被害」
    みたいなワードも一緒に調べる

これだけでも、
被害に遭う確率はかなり下がる。

それともう一つ。

その界隈の人たちは、
あなたの違和感を否定しかしない

「それは考えすぎ」
「成功する人は疑わない」
「今やらない人は一生そのまま」

こういう言葉で、
不安を潰してくるだけだ。

一方で、
親や友達に相談すると、
今度は逆に

「やめとけ」
「怪しいからやめろ」

って言われると思う。

でもそれは、
あなたの人生を本気で心配してるから言ってるだけで、
別にあなたの可能性を潰したいわけじゃない。

もし、

「なんかヤバい気がする」
「でも抜けたら怒られそう」
「ここまで来たのにやめるの怖い」

そう感じたら、
ステルスで離脱するのも、
全然アリだと自分は思ってる。

ブロックして、
音信不通になって、
一旦距離を取る。

これ、逃げじゃなくて
立派な回避行動だ。


今だから言えること

この経験、
正直なかったことにしたい気持ちもある。

50万円を失ったのは痛いし、
時間も無駄にしたし、
情けない判断だったと思う。

でも今こうして振り返ると、
「安い授業料だった」と
ギリギリ言えるラインで
踏みとどまれたのかな、とも思う。

もしあのまま続けていたら、
もっと深くハマって、
もっと抜けづらくなって、
もっと大きな代償を払っていた可能性もある。

そうならなかっただけでも、
自分はまだマシだったと思うようにしている。

これからの君たちへ

怪しい副業から抜けたことで私はお金と時間を失ったが、友達と自分の未来だけは守れたし、同じ状況の人には「今すぐ一旦立ち止まれ」と本気で言いたい。

!次回予告!

このブログを始めるよりも前、
自分はマッチングアプリ経由で
とあるMLMの勧誘を受けていた。

幸い、最終的には参加せずに済んだが、
当時の自分はかなりギリギリのところまで
行っていたと思う。

次回は、
どんな流れで勧誘されたのか、
なぜ一瞬「やろうかな」と思ってしまったのか、
そしてどうやって回避したのかを
正直に書いてみようと思う。

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