第一章|実績なしで意識高いブログを書いて、何も残らずやめた話

5年前、なぜブログを始めたのか

5年前、私は焦っていた。

当時、自分は新社会人として働き始めたばかりだった。
自分で稼いでいるという実感があり、大きな達成感もあった一方で、
物価の高騰や増税、企業倒産といったニュースが目に入るようになり、
将来に対する不安も強くなっていった。

そして翌年、新型コロナウイルスの流行。
「世界的な不況」という言葉が、
一気に現実味を帯びて迫ってきた。

社会への不安、
社会人生活の先に何があるのか分からないという感覚。
会社以外に収入の柱がない状態は、
危険なのではないかと思うようになった。


副業を探し始めた理由と、ブログを選んだ理由

何か行動しなければと思い、
副業について考え始めた。

物販、プログラミング、コンテンツ販売。
いくつか候補はあったが、
どれも自分にはハードルが高く感じられた。

物販は在庫管理や流行り廃りへの警戒が必要。
プログラミングは言語を覚える手間があり、
成果が出るまでに時間もかかる。
コンテンツ販売に至っては、
そもそも自分には販売できるようなスキルや知識がない。

(この判断が、のちに別の失敗につながることになる。)

そう考えた結果、
「ブログであれば、記事を書くだけで
アフィリエイト収益としてお金を得られるのではないか」
と思い至った。

今振り返ると、
かなり安直な考えだったと思う。


実績がないのに、意識高い発信を始めた理由

ブログを選んだ理由は、もう一つあった。

「自分には、まだ何も実績がない」という事実から、
できるだけ目を逸らしたかったのだと思う。

物販やプログラミングは、
良くも悪くも結果が分かりやすい。
できなければ、すぐに「向いていない」と突きつけられる。

その点、ブログは違って見えた。
文章を書くだけで、
「発信している自分」になれる気がした。

背景には、当時よく目にしていたSNSの影響もあった。
特にTikTokでは、
「会社に依存しない生き方」
「20代で自由になる方法」
といった言葉が、次々と流れてきた。

どこまでが本当か分からない成功談。
それを疑うよりも先に、
「自分も何か始めなければ」という気持ちだけが膨らんでいった。

今思えば、
かなり危うい発信も含まれていたと思う。
ただ当時の自分には、
それを見抜く余裕も、判断基準もなかった。

そうしていつの間にか、
自分の言葉ではなく、
誰かの言葉をなぞるような文章を書き始めていた。


違和感と、ブログをやめた理由

副業の考え方、将来への不安、
成功するためのマインド。

どれも、どこかで見たような内容だったと思う。
それでも当時は、
「こういうことを書いていれば正解なのだろう」
と疑わずにいた。

しかし、書き続けるうちに違和感が出てきた。

自分で読み返しても、
正直、心に残るものが何もなかった。

「これを読んで、誰が救われるんだろう」

そんなことを考え始めた頃から、
キーボードに手が伸びなくなった。

読まれていないことよりも、
自分自身が納得できていないことの方が、
ずっとしんどかったのだと思う。

そうして更新頻度は落ち、
いつの間にかブログを開かなくなった。

結果として、
そこには何も残らなかった。


今、振り返って思うこと

今振り返ると、
実績がなかったこと自体が問題だったわけではない。

問題だったのは、
まだ何者でもない自分が、
何者かになったつもりで語ろうとしていたことだった。

そしてこのブログをやめたあと、
自分はさらに「楽に稼げる話」に近づいていく。

その結果、
50万円という、決して小さくない金額を失うことになる。

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