第六章:マッチングアプリに潜む勧誘の実態【アムウェイ勧誘体験談】

ボーリング後に始まった違和感

「久しぶりに遊ぼう」と言われ、ボーリングに誘われた。
その時点では特に疑いはなかった。普通の再会だと思っていた。
しかし、ボーリングが終わった後、「少し寄りたい場所がある」と言われ、とあるラーメンチェーン店の駐車場へ向かった。
食事をするわけでもなく、ただ車を停めただけだった。
その時点で少し違和感を覚えたが、まさかこの後、再びあの流れになるとは思っていなかった。

見覚えのある場所への再訪

そこから車で移動し、連れて行かれた場所は、以前クリスマス会が開かれたオフィステナントだった。
建物を見た瞬間、嫌な予感がした。
中に入ると、前回よりもさらに多くの人がいた。
部屋のあちこちで、誰かが誰かに説明をしていた。
よく見ると、私と同じように勧誘を受けている人が何人もいた。

『水の配給システム』という動画

席に案内され、まず動画を見せられた。
内容は「水の配給システム」と呼ばれるもので、後に調べると「The Parable of the Pipeline」というものだった。
簡単に言えば、
毎日バケツで水を運び続ける労働者と、パイプラインを作り自動で水を供給する人の話だった。
前者は働き続けなければ収入は止まる。
後者は仕組みを作ることで、何もしなくても収入が入り続ける。
つまり、「労働収入ではなく権利収入を得ろ」というメッセージだった。

商品デモと成功ストーリー、その後

続いて、食器用洗剤のデモが始まった。
一般的な洗剤との違いや環境性能、コスト面の説明が続いた。
その後は、2019年当時のビジネスの状況やランク制度、収入の話だった。
成功者の体験談や将来の可能性ばかりで、マイナス面の話は一切なかった。
夢と理想だけを見せる内容だった。
説明されている途中で、上の立場(アップライン)の人が現れた。
「稼げるチャンスが君にも来た。これは本当に幸運なことだ」
そう言われた。
まるで自分が特別に選ばれたような感覚を持たされる言葉だった。
同時に、断りづらい空気が作られていた。
その場で何度も聞いたのが、
「楽しい」
「仲間が増える」
「一緒に頑張ろう」
この3つだった。
何人もの人が同じ言葉を繰り返していた。
まるで暗示のようだった。
途中、エナジードリンクを渡された。
正直、味はかなりまずかった。
だが、その後が本番だった。
そこから毎週のように会うことになり、完全に勧誘の時間へと変わっていった。
最初は遊びだったはずなのに、普通の会話はほとんどなくなった。

違和感の正体

その集団の中には、「お金がある」とアピールする人も多かった。
しかし、よく観察すると肌の状態があまり良くなかったり、余裕がなさそうに見える人もいた。
服装や車も、いわゆる成功者という印象はなかった。
むしろ、「本当に稼げているのか?」という疑問が強くなっていった。
もし本当に豊かなら、なぜここまで必死に勧誘を続けるのか。
結果として、
こうしないと稼げないのではないか。
本当は余裕がないのではないか。
そう感じるようになった。
途中、直接本音を伝え、抜けようとも考えたがその場の空気は異様だった。
目がどこか違い、強い圧を感じた。
怖くて声が出なかった。
ただ時間が過ぎるのを待つことしかできなかった。

最後の決定打

最後に、最初に仲良くなった男性と1対1で話す機会があった。
その人からも、
「楽しい」
「仲間が増える」
「一緒に頑張ろう」
同じ言葉を繰り返された。
その瞬間、完全に冷めた。
心からの言葉ではなく、テンプレートのように感じたからだった。

静かなフェードアウト

その後、私は連絡を返さなくなった。
最終的にはブロックし、完全にフェードアウトした。
直接断ることはできなかったが、自分なりの精一杯の行動だった。

今振り返ると、あの時の自分はかなり危うかったと思う。
だが、この経験があったからこそ、
「うまい話には必ず裏がある」
そう強く考えるようになった。

ただ、この出来事の数年後に50万円失うことになったと思うと完全には考えられていなかったのだと痛感する。

次章では、なぜ人はネットワークビジネスに惹かれてしまうのか、そして断れない心理の正体について、50万円失ったことについても触れて書いていく。

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